※2003年版、2017年版のキノの旅のネタバレをします
どうも、マゾです。
今回はゲームの攻略だとかレビューではないのであまり語らないんですけど、つい最近キノの旅(2003年版、2017年版)を観ました。原作は未読なのでkindle辺りで読めたら読んでみようと考えています。
この作品がライトノベルで昔から存在して、面白い事で有名なのは知っていました。中性的で子供みたいな身体つきの子がバイク(この作品では乗り物全般をモトラドと呼ぶ)に乗って色々な国を周る旅をする。旅って響きが素敵じゃないですか。
一応この作品に辿り着いた理由がディストピアと検索かけて候補に出たからです。不穏な気配を感じつつも、この時は正直「この子がディストピアっぽい色んな国を訪れながらも色んな人と触れ合って温かさに触れながら旅をしていくんだろうな」と考えていました。
見終わったから言いますけど、正直考えが甘かったです
最初に見たのは2003年に放送されたものです。監督は中村隆太郎さん、手掛けた作品は『serial experiments lain』
『サクラ大戦TV』らしいです。私はどちらも見たことありません。
見ての通りキャラデザが原作と大幅に違います。キャラデザはアミサキリョウコさんで、モノクマとかのキャラデザらしいです。調べて初めて知りました。
正直原作に思い入れも何も無かったのでキャラデザは別に気にせず視聴を開始しました。
1話は人の痛みが分かる国。
う〜〜む、演出が結構独特…だけど引き込まれる…
銃の手入れをするシーンだったり、早抜きの練習をするシーンだったりところどころ不穏な空気は感じましたが、この話自体はちょっとほんわかする話でしたね。あとラストで女って明言されて「????????????????????????????????????????????????????」と思いました。
…結構期待通りだったな!続きを見よう!
2話。人を喰った話。
かなり攻めたタイトルですね、途端に話が不穏な方向に向かいました。
この回は吹雪で行き倒れになった人をキノが養ってあげたって話です。俺も養われたい。
この回は食糧ウサギを狩って調理をするシーンがあります。ああ銃ってそういう時のために使うのね…なるほどね……
キノが助けた日暮警部みたいな声の人と野原ひろしみたいな声した行き倒れの人からは住んでる国の話を聞きました。内容自体はとても暖かい内容で、癒しの波動を感じました。いい……
……とここまでは別に特段何も起きませんでしたが、吹雪が晴れてトラックも動くようになったその時、行き倒れの人は「俺たちも仕事をせにゃあかん。お嬢ちゃんはいい値がつくぜ(ぐへへ)」と銃を向けて来ました(!?)
キノは武器を次々と捨てていきます。2丁の銃と身体にしまい込んでいた無数のナイフ(!?!?)を地面に。
そして最後のナイフ……これが仕込み銃で、銃を構えた男を射殺(!?!?!?)残り2人も隙を突いて殺します。
「怖かった……」
物凄い衝撃でした。もうこの時点でほのぼのは望めなくなりました。
そして4話。大人の国。
キノの旅が始まる前日譚ってやつですね。この頃のキノちゃんはフリフリの服を着たとても可愛らしい美少女でした。
しかし話の内容は狂気すら感じるようなディストピアを加減なしで表現しきっており、その異常さがキノちゃんの口から放たれてからはどんどん不穏な空気が立ち込めてきて、見てるこっちに精神的ダメージを与えてきました。
そしてキノちゃんが大人(脳改造されて辛い事を難なくこなすようになる)になりたくないと発言。周りの人間は怒り狂い、両親はキノちゃんを殺そうとします。しかしそこでキノ(男)が身代わりになり、絶命。グロい!!!
旅人の死は事故と割り切り、旅人に刺さった包丁を抜き、再びキノを殺そうとする。みんな笑顔なので超怖いシーンです。
そんなシーンが立て続けに続いたからか、終盤のモトラドに乗って国外に逃げるシーンはとても清々しいものでした。これは名作ですわ……と思いながら心の傷を誤魔化していきます。正直相当キツかったです。
怖いわ!!!!!
……とこれ以上言及すると長くなるので割愛しますが、このアニメの8割は救われない話で構成されており、無茶苦茶後味悪いものばかりです。後半は特に畳み掛けるように胸糞エピソードを提供してきます
全話見終わった時こうなってました
なんかこう、ものすごいやるせなさに見舞われました。
作品はとても面白いんですけど喪失感がひたすら強かったです。中にはただ平和なだけの回もありましたけど(飛行機つくる回)予言に従って国滅ぼすものとか戦争の代わりに民族を虐殺して競ったりするものだったり、気に入った国が火砕流に呑まれたりだとか、よくこんなものを書けるな……って思うものが多かったです。面白かったですけどね!
そして間を空けずキノの旅(2017)を視聴
キャラデザは原作と同じく黒星紅白さん。なんかエロいですよね。
こちらのアニメはと言いますと……
いやもうティーですよねティー旧作はそういう雰囲気のものでもなかったからこういう要素は皆無でしたけどとにかくティーなんですよティー心の清涼剤だし精神安定剤ですティーの存在だけでこの世のすべてなんかどうでもよくなります
……とまあ、旧作の違いを比べながら見ていきました。
気づいた点として、旧作版は全編通してキノの旅です。話の主人公は徹底してキノで、他キャラは殆ど1話きりの存在です。
対して新作版はキャラクターが沢山出ます。キノ以外にコロシアムで戦った犬と男、前述のティー、キノの師匠(旧作だと老婆の姿のみ)、元奴隷の少女……と様々。キャラを活かしてるのは後者かなーって思いました。多分こちらの方が原作に近いのかな?
あと新作は旧作と違い重い話がそこまで多くないです。中にはティーがメインのほのぼのした話もあります。素晴らしいですね。
…以上がキノの旅初体験の感想です。
原作を知らないんで無知な発言は避けたいんですけど、個人的には旧作のが好きでした。新作とは完全に別物ってのは分かるんですけど、一つの作品として見た場合は完成度が非常に高くて、これはこれでアリなんじゃないかなって思いました。原作既読者、もとい原作者がどう思ったは知りませんが……
個人的にキノの旅は旧作のイメージが強くなりすぎて楽しめるか心配ですがその内原作買って読むと思います。良い作品に出会いました。それでは。